コラム2026-05-19

【敵を知る #2】チュニジア代表 名前の読み方図鑑|「ベン」は「〜の息子」、ハンニバルは古代カルタゴの英雄、ケディラの弟も招集

6月21日W杯GL第2戦の相手、チュニジア代表の26名を「名前」で読み解く図鑑。アラビア語の「ベン(Ben)」は「〜の息子」を意味し、ハンニバルは古代カルタゴの名将に由来、元ドイツ代表サミ・ケディラの弟ラニも招集されている。明日話せるグループF雑学シリーズ第2回。

#W杯#チュニジア#グループF#予約公開

6月21日 13:00 JST、日本代表がGL第2戦で対峙するチュニジア。「敵を知る」シリーズ第2回は、アフリカ北部のサッカー強国、チュニジア代表の名前を読み解く。「ハンニバル」という古代カルタゴの英雄と同じ名、「ベン・スリマン」の「ベン」の意味、そして元ドイツ代表サミ・ケディラの「弟」がここにいる——明日話せるグループF雑学をたっぷり集めた。


info チュニジア代表|GROUP F 第2戦の相手

項目内容
試合日時2026年6月21日(日)13:00 JST
会場エスタディオBBVA(モンテレイ/メキシコ)
FIFAランキング44位(日本は18位、2026-04時点)
愛称カルタゴの鷲(Les Aigles de Carthage)
人口約1,200万人
公用語アラビア語、フランス語

sports_soccer アラビア語の名前は「3つのパーツ」でできている

チュニジア代表選手の名前を読み解く鍵は、アラビア語の伝統的な命名規則だ。基本は以下の構造:

パーツ意味
イスム(個人名)本人のファーストネームHannibal、Mohamed、Ali
ナサブ(結び名)「〜の息子」で示す系譜Ben / bin / ibn
ニスバ(帰属名)部族名・出身地・職業名al-Tunisi(チュニジア出身)

info 「ベン(Ben)」は「ビン(bin)」「イブン(ibn)」と同じ意味。サウジアラビアやエジプトでは「ビン」「イブン」だが、チュニジアやモロッコなどマグリブ(北アフリカ)では口語発音の「ベン」が主流。つまり「Ben Slimane」は「スリマンの息子」という意味だ。


local_fire_department 注目選手の名前を読み解く

star ハンニバル・メイブリ(Hannibal Mejbri)— 古代カルタゴの英雄の名を背負う司令塔

23歳の攻撃的MF、バーンリー(イングランド)に所属するチュニジア代表の中核。名前のHannibal(ハンニバル)は、約紀元前200年に本拠地カルタゴ(現チュニジア)から象とともにアルプスを越えた古代カルタゴの名将「ハンニバル・バルカ」に由来。チュニジア人にとって「ハンニバル」は「誇りの名前」だ。

star ラニ・ケディラ(Rani Khedira)— 元ドイツ代表サミの「弟」

31歳のボランチ、ウニオン・ベルリン(ドイツ)所属。兄は元ドイツ代表・W杯2014優勝メンバーのサミ・ケディラ。兄弟で同世代を走ったが、兄はドイツ、弟は父の母国チュニジアを選んだ。「Khedira(ケディラ)」はアラビア語で「緑」を意味する姓。

star エリス・スキリ(Ellyes Skhiri)— 堂安律の同僚

30歳のMF、フランクフルト(ドイツ)所属。つまり日本代表堂安律の同僚だ。チュニジア代表の司令塔としてフィジカルにもテクニカルにも優れる中盤の要。

star アニス・ベン・スリマン(Anis Ben Slimane)— 「スリマンの息子」

24歳のMF、ノリッジ(イングランド2部)所属。「Ben Slimane」は「スリマンの息子」という意味。スリマンはイスラムの有名な伝説上の賢人・預言者(ソロモン王)のアラビア語名。

star ヤン・バレリー(Yan Valery)— フランス生まれの「ダブルルーツ」

27歳の右SB、ヤングボーイス(スイス)所属。フランス生まれ、イングランド・サウサンプトンでプロデビューしたダブルルーツ選手。チュニジアは1881~1956年のフランス保護領時代を経て、今もフランスとの人の行き交いが厚い。代表の26名中でフランス・ベルギー・スイス生まれは複数。


favorite 「カルタゴの鷲」の背景— 古代カルタゴと鳥の文化

チュニジア代表の愛称は「カルタゴの鷲(Les Aigles de Carthage)」。カルタゴは首都チュニス郊外にあった古代都市で、古代ローマと三度にわたるポエニ戦争を戦ったことで有名。そのカルタゴの象徴だった鷲がチームの愛称とエンブレムに取り込まれている。「カルタゴの鷲たち」という名には、フェニキア人の交易、古代アフリカ文明の誇りが詰まっている。


local_fire_department 欧州クラブに多いチュニジア人選手の謎

26名中18名近くが欧州クラブ所属。チュニジア、フランス、ドイツ、イタリア、スイス、デンマーク、スウェーデンなど多様。背景には以下の三つがある:

  • フランスの旧植民地のもと、チュニジア人ディアスポラがフランスを中心に欧州に多数生活
  • チュニジア国内リーグ(Ligue Professionnelle 1)の振興と、代表スカウトシステムが欧州トップレベルに有効に機能
  • 「カルタゴ」のブランド力と、ハンニバルという名前の「誇り」を背負う選手たちの助走路

info 明日話せるノート

  • ハンニバル・メイブリの「ハンニバル」は、古代カルタゴの名将がアルプスを象で越えたそれだよ」
  • 「Ben」は「〜の息子」。「Ben Slimane」は「スリマンの息子」、つまりコードネームのようなものだ」
  • ラニ・ケディラはサミ・ケディラの弟。兄はドイツでW杯優勝、弟は父の母国チュニジアを選んだ」
  • スキリは堂安律の同僚(フランクフルト)。代表同士でもクラブでコミュニケーションを取り合う仲」

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