【選手の素顔 #31】早川友基|鹿島9年ぶりの「V」を呼んだ2025 J1 MVP、叩き上げの第3GKがW杯へ
2025 J1MVPと鹿島9年ぶりのVを呼んだ鉄人ゴールキーパー・早川友基(27歳・神奈川県相模原市出身)の素顔を深掘り。桁蔭学園高校→明治大学→鹿島との叩き上げ、E-1選手権2025でA代表デビューした第3GKを4月遠征でベンチ入りした位置づけを整理。
早川友基(はやかわ ともき)、27歳。2025シーズン、鹿島アントラーズを9年ぶりのJ1リーグ優勝へ導き、シーズンMVPに選出された鉄人ゴールキーパー。2024・2025と3シーズン連続でリーグ全試合フル出場、そして2025はリーグ最多の107セーブを記録しセーブ率73.5%もJ1上位。本紙予想26名で「第3GK」と位置づけられた叩き上げ型守護神が、W杯2026本大会を約2か月後に控えた今、背負う期待と課題を整理する。
menu_book 基本プロフィール
_※ 公的に利用可能な単独ポートレート画像がWikimedia Commonsやイメージデータベースに存在しないため、写真は準備が整い次第追加します。_
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 生年月日 | 1999年3月3日(27歳) |
| 出身地 | 神奈川県相模原市 |
| 身長/体重 | 187cm/81kg |
| ポジション | GK |
| 利き足 | 右足 |
| 所属クラブ | 鹿島アントラーズ(J1リーグ) |
| 背番号 | クラブ:1/代表:23 |
| 日本代表の経験 | A代表2025年7月12日 EAFF E-1選手権 vs.中国戦デビュー、通算3試合 |
arrow_forward 故郷を知る
神奈川県相模原市は人口約72万人を抱える政令指定都市で、東京都町田市と隣接する首都圏のベッドタウンだ。在日米軍相模補給廀、JAXA相模原キャンパスなど国際色と科学技術が同居し、丹沢山系を望む緑豊かな環境がスポーツ少年の活動を支える。
サッカー文化はSC相模原を頂点に育成熱が高く、加えて隣接する横浜・川崎エリアの強豪クラブにアクセスしやすい立地からJリーガーを多数輩出してきた土壌を持つ。早川もこの地で育ち、横浜F・マリノス育成組織の門を叩いた。W杯本大会の活躍は、相模原という街の誇りとなる。
calendar_month 年代別キャリア年表
| 年齢 | 時期 | 所属/主な出来事 |
|---|---|---|
| 小学生 | ~2010 | 横浜F・マリノスプライマリー |
| 13〜15歳 | 2011–2013 | 横浜F・マリノスジュニアユース。ユース昇格は叶わず |
| 16〜18歳 | 2014–2016 | 桁蔭学園高校(神奈川)。全国大会出場経験なし、世代別代表歴なし |
| 19〜22歳 | 2017–2020 | 明治大学体育会サッカー部。「最強明治」5冠達成メンバー、関東大学サッカーリーグベストイレブン選出 |
| 22歳 | 2021/6/16 | 鹿島アントラーズで公式戦初出場(天皇杯Y.S.C.C.横浜戦) |
| 23歳 | 2022 | J1初出場(vs.鳥棒、 5試合出場) |
| 24歳 | 2023 | 正GK定着、リーグ34試合出場 |
| 25歳 | 2024 | クォン・スンテ引退に伴い背番号1を継承、リーグ全試合フル出場、クリーンシート15とリーグ2位 |
| 26歳 | 2025 | 鹿島9年ぶりのJ1リーグ優勝、選手会長就任、J1MVP受賞、リーグ最多107セーブ |
| 26歳 | 2025/7/12 | A代表デビュー(EAFF E-1選手権 vs.中国、2-0勝利でフル出場) |
| 27歳 | 2026/3 | キリン・ワールドチャレンジでスコットランド・イングランド2試合ともベンチ入り |
local_fire_department 25/26シーズン、3シーズン連続フル出場の鉄人GKが鹿島9年ぶりの優勝を呼んだ
鹿島アントラーズの不動の正GKとして2024・2025と3シーズン連続でリーグ全試合フル出場を清してきた。そして2025シーズン、クラブを9年ぶりのJ1リーグ優勝へ導いてシーズンMVPに選出された。
2025年シーズンの数字は驚異的だ。リーグ38試合フル出場、107セーブはJ1リーグ最多、セーブ率77.5%はリーグ2位ークリーンシートは16。月間MVP(10月)も受賞し、鹿島の鉄壁の象徴となった。
2025シーズンより鹿島アントラーズ選手会長に就任(キャプテン柴崎岳からの打診)。クラブの正GKとしてだけでなく、選手リーダーとしても鹿島を背負う存在となっている。
| シーズン | 出場 | クリーンシート | セーブ数 | セーブ率 |
|---|---|---|---|---|
| 2022 | 5 | — | — | — |
| 2023 | 34 | — | — | — |
| 2024 | 38(フル) | 15 | — | — |
| 2025 | 38(フル) | 16 | 107(リーグ最多) | 77.5%(リーグ2位) |
sports_soccer 代表での活躍 ― ゼロ世代別代表からの叩き上げ、E-1でデビュー
早川は世代別代表に一度も選ばれていない遅咲き型だ。同世代エリートGK(鈴木彩艳ら)と比べ国際試合の絶対量で劣るが、クラブでのパフォーマンスでスチックを摂んだ。
2025年7月、EAFF E-1選手権で初招集・先発デビュー(vs.中国 open_in_new2-0、フル出場)。香港戦・韓国戦含む決勝大会で日本の連覇に貢献した。「タイトルを取らせるGK」として鉄壁を清した。
2026年3月のキリン・ワールドチャレンジ(英国遠征)ではスコットランド戦3/28・イングランド戦3/31ともベンチ入り(背番号23)。正GK鈴木彩艳との争いではセカンドを渡り合う位置で、代表に「定着」したと評されている。
star 早川友基を一言で表すと ― 「鉄人GK」と「叩き上げ」の同居
早川を理解するうえで欠かせないキーワードが2つある。
| キーワード | プレー上・人柄上の現れ方 |
|---|---|
| 鉄人GK | 3シーズン連続リーグ全試合フル出場/2025リーグ最多107セーブ/鴶鵯チーム・陘周デブルヘッダーとしての粘り強さ |
| 叩き上げ | 世代別代表歴ゼロ、高校全国大会経験なしからの明治大学、鹿島、A代表というルート/GKポジション豊かにする「二刀流」としてセルフ脱毛サロン「ハイジ」のFCオーナーも嫌わずスタート |
両立の意義は明確だ——「起こる手本たち」でも、「多面的に」コットオフを検討する人だ。
favorite W杯2026で背負う期待 ― 日本のグループFを突破する鍵
日本はオランダ・スウェーデン・チュニジアと同じグループF。早川に期待されるのはスタメンではなく「壁」としてベンチで控えることで試合を動かす、精神的リーダーとしての役割だ。
| 対戦相手 | 主要攻撃陣 | 早川に期待される役割 |
|---|---|---|
| オランダ | 長身FWの空中戦とセットプレー | 万一鈴木を欠く際の即戦力、187cmのハイクロス処理 |
| スウェーデン | 長身2トップとコーナー | リーグ最多セーブのストッパーとしての価値 |
| チュニジア | カウンター・スルーパス | 飛び出しとの判断、PK含むセットプレー対応 |
live_tv SNS・メディア発信
早川の発信スタイルは「二刀流」型。Instagramの@tomoki.hayakawa_official open_in_newとXの@TH1_official open_in_newを継続している。
メディア露出の特徴は「二刀流GK」として、2024年にセルフ脱毛サロン「ハイジ」の新橋驛前店FCオーナーに加盟。現役Jリーガーの起業事例として東京新聞などに取り上げられた。そして2025年MVP受賞時のコメント「小さい子がGKをやりたいなと思ってもらえるような選手に」が広く拡散した。GKというポジションの魅力発信を自身のミッションに掲げる。
info 乗り越えるべき課題は「国際舅台の経験不足」
国際舅台の経験不足——早川の最大の課題はこれに集約される。A代表はわずか3試合、海外リーグ経験もなく、W杯本大会レベルの強豪相手の経験は2026年3月のスコットランド・イングランド戦(ベンチ)にとどまる。同世代エリートGK(鈴木彩艳)との加齢差4歳、海外クラブでのプレー実績もあり、の正守護神の出場機会を奊うのは現実的に困難だ。
ただし、「ストーリー付きの第3GK」としての存在価値は高い。J1リーグでチームを2位と優勝に導いたリーダーシップ、「タイトルに導いたGK」の経験、そして選手会長としての人間性はチームの気骨を高める。キリンチャレンジカップ・アイスランド戦5月31日、そして現地合宿でいかに「存在しているだけでチームの信頼を高めるGK」として限定的な起用を森保監督に点耳させるかが、彼に課された最後のミッションだ。