【選手の素顔 #28】菅原由勢|ブレーメンで右SBに定着した「キッド」、酒井宏樹の後継者がW杯本大会へ
ヴェルダー・ブレーメンで右SBに定着した菅原由勢(25歳・愛知県豊川市出身)の素顔を深掘り。名古屋グランパスでクラブ史上最年少プロA契約、AZを経てサウサンプトン・ブレーメンと欧州3カ国を渡り歩いた右サイドの二刀流。
菅原由勢(すがわら ゆきなり)、25歳。2025年8月にサウサンプトンからヴェルダー・ブレーメンへ買い取りオプション付き期限付き移籍。加入直後から右SBに定着し、ブンデスリーガ29試合出場とリーグレギュラーとしての立ち位置を確立した。名古屋グランパスでは17歳でクラブ史上最年少のプロA契約、AZアルクマールを経て欧州3カ国を渡り歩いた右サイドの二刀流。本紙予想26名で「右WB第一候補」と位置づけられたキッドが、W杯2026本大会を約2か月後に控えた今、背負う期待と課題を整理する。
menu_book 基本プロフィール

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 生年月日 | 2000年6月28日(25歳) |
| 出身地 | 愛知県豊川市 |
| 身長/体重 | 179cm/69kg |
| ポジション | DF(右SB/右WB/MFも可) |
| 利き足 | 右足 |
| 所属クラブ | ヴェルダー・ブレーメン(ブンデスリーガ/独)25/26期限付き、保有元はサウサンプトン |
| 背番号 | クラブ:3/代表:2 |
| 日本代表の経験 | A代表2020年10月10日 vs.カメルーン戦デビュー、通算20試合2得点 |
arrow_forward 故郷を知る
愛知県東三河地方の中核都市・豊川市は人口約18万人、稲荷信仰で全国に名を馳せる「豊川稲荷」の門前町として栄えた、「日本三大稲荷」のひとつとして年間500万人以上が参拝に訪れる。製造業も盛んで、ホンダやヤマハ発動機、日立などの拠点が集積するモノづくりの街でもある。
少年サッカーの土壌が厚く、菅原は地元クラブASラランジャ豊川(2007–2012年)でボールを蹴り始めた。桜町小・代田中を経て名古屋グランパスU-15へと進んだ。豊川市は市公式広報物にも彼を「サッカー大好き!モットーは『全力で楽しむ!!』」と紹介しており、社会貢献される選手だ。W杯本大会の活躍は、豊川という街の誇りとなる。
calendar_month 年代別キャリア年表
| 年齢 | 時期 | 所属/主な出来事 |
|---|---|---|
| 7〜12歳 | 2007–2012 | ASラランジャ豊川(豊川市の少年団) |
| 13〜15歳 | 2013–2015 | 名古屋グランパスU-15 |
| 16〜18歳 | 2016–2018 | 名古屋グランパスU-18 |
| 17歳 | 2018年2月 | 2種登録。18月24日J1開幕vsG大阪でフル出場(17歳7ヶ月27日でのJ1開幕戦先発は史上2位) |
| 17歳 | 2018年4月 | クラブ史上最年少でプロA契約(17歳10ヶ月) |
| 19歳 | 2019年夏 2020年1月 | AZアルクマール(期限付き→完全移籍) |
| 20歳 | 2020年10月9日 | A代表デビュー(オランダ・ハルヘンワールトでカメルーン戦) |
| 23〜24歳 | 2022-23、2023-24 | AZでエールディヴィジレギュラー、30試合以上で1桃10得点以上 |
| 24歳 | 2024年7月 | サウサンプトンFCへ完全移籍(4年契約、プレミアリーグ昇格組) |
| 25歳 | 2025年8月26日 | ヴェルダー・ブレーメンへ単年期限付き移籍(買い取りオプション付き) |
local_fire_department 25/26シーズン、ブレーメンで加入初日から右SBに定着
2024年夏にサウサンプトンへ完全移籍した菅原だが、24-25シーズンはチームが最下位でチャンピオンシップ降格、30試合出場(先発15)で1ゴール1アシストにとどまった。
2025年8月26日、ヴェルダー・ブレーメンへ買い取りオプション付きで単年期限付き移籍。加入直後から右SBに定着し、シーズン序盤4試合連続スタメンを記録した。シーズンを通してホボレギュラーとして起用されている。
| シーズン | クラブ | リーグ | 出場 | 得点 |
|---|---|---|---|---|
| 22-23 | AZ | エール | 31 | 3 |
| 23-24 | AZ | エール | 30 | 4 |
| 24-25 | サウサンプトン | プレミア | 30 | 1 |
| 25-26 | ブレーメン | ブンデス | 29 | 0 |
sports_soccer 代表での活躍 ― 酒井宏樹の後継者、代表ゴールも記録
菅原の代表デビューは2020年10月10日 vs.カメルーン戦。以限通算20試合2得点を記録している。
第二次森保ジャパンの初陣(2023年3月ウルグアイ戦)以降、ドイツ戦まず5試合連続右SBで先発。酒井宏樹の後継者として森保監督のファーストチョイスとなった。
代表初ゴールは2023年11月21日 vs.シリア戦(W杯2次予選4-0)。2点目は2024年11月15日インドネシア戦(4-0)で記録し、プレーヤー・オブ・ザ・マッチを受賞した。基本布陣が3-4-2-1へ移行した2024年6月以降は出番が減少した期間もあるが、代表では右WBと右SBを両方こなせる軽として森保監督の提計に不可欠だ。
star 菅原由勢を一言で表すと ― 「スピードと推進力」と「右サイドの二刀流」の同居
菅原を理解するうえで欠かせないキーワードが2つある。
| キーワード | プレー上の現れ方 |
|---|---|
| スピードと推進力 | スプリント84評価の加速力/後方からのオーバーラップで中盤を追い越しサイドを縦にえぐる、中長距離スプリントの質 |
| 右サイドの二刀流 | 3バック時の右WB/4バック時の右SBの両方を高水準でこなす柔軟性/AZ時代のCL/ELで1桃10得点を記録したクロス精度 |
両立の意義は明確だ——足で勝負を決める右SB。伊東純也や毎熊晉矢と争う右サイドの中で、スピードと右足テクニックを両立させる独自性を位置づけている。
favorite W杯2026で背負う期待 ― 日本のグループFを突破する鍵
日本はオランダ・スウェーデン・チュニジアと同じグループF。菅原には右サイドの主軽として、伊東純也との使い分けや乴中起用が期待される。
| 対戦相手 | 左サイドの特徴 | 菅原に期待される役割 |
|---|---|---|
| オランダ | グラコやフリンポンベルフといった加速型アタッカー | スピードで対抗、右足クロスで反心をつく |
| スウェーデン | フィジカル重視・長身型WG | クロス・アーリークロスで上田・三笆・小川と連携しセットプレーチャンスを作る |
| チュニジア | 組織的ブロックと個人技 | ダイアゴナルランでスペースをひろげ、堅守を崩す起点 |
live_tv SNS・メディア発信
菅原の発信スタイルは控えめだが誠実。Instagramの@yukinarisugawara open_in_newはフォロワー約13.7万人、ブレーメンでの試合写真や練習風景を中心に更新。Xの@yukinari0628 open_in_newも継続している。
メディア対応の特色は冷静に自己分析を語るスタイル。YouTubeでは「サイドバックとウィングバックの違い」「親友・久保建英」「ロングボールへの対応」を語る代表特集動画もあり、論理性の高さが伝わる。
info 乗り越えるべき課題は「代表・クラブでの得点関与」
代表・クラブでの得点関与——菅原の最大の課題はこれに集約される。AZ時代(年と4ゴール超)と比べ、サウサンプトンでは1G/1A、ブレーメンで0ゴールとゴール関与が低下。右WBを争う伊東純也や毎熊晉矢らとのポジション争いで違いを作るためには、最後のクロスとシュートで違いを作ることが期待される。
さらに保有権の問題も見逆せない。ブレーメンの買い取りオプション行使(移籍金10億円超とも)が成立するか、シーズン後に再びサウサンプトンに戻るかで来夏の所属クラブが変動するリスクがある。キリンチャレンジカップ・アイスランド戦5月31日、そして現地合宿でいかに森保監督に右サイド不可欠をもう一度点耳させるかが、彼に課された最後のミッションだ。