【選手の素顔 #24】鈴木淳之介|各務原産22歳の左ストッパー、ブラジル撃破の電撃抜擢でCLからW杯へ
本紙予想26名で「電撃抜擢」と位置づけられた鈴木淳之介(22歳・岐阜県各務原市出身)の素顔を深掘り。湘南ベルマーレからわずか半年でFCコペンハーゲンへ移籍しCL本戦7試合出場、ブラジル戦で左CB先発フル出場をしてチェルシーのエステバンを完封した。
鈴木淳之介(すずき じゅんのすけ)、22歳。湘南ベルマーレからわずか半年でFCコペンハーゲンへ移籍し、CL本戦7試合出場。2025年10月14日のブラジル戦では左CB先発フル出場でチェルシーの新星エステバンを完封、久保建英から「試合中に成長していた」と最大級の称賛を浴びた。本紙予想26名で「電撃抜擢」と位置づけられた左ストッパーが、W杯2026本大会を約2か月後に控えた今、背負う期待と乗り越えるべき課題を整理する。
menu_book 基本プロフィール
_※ 公的に利用可能な単独ポートレート画像がWikimedia Commonsやイメージデータベースに存在しないため、写真は準備が整い次第追加します。_
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 生年月日 | 2003年7月12日(22歳) |
| 出身地 | 岐阜県各務原市 |
| 身長/体重 | 180cm/71kg |
| ポジション | DF(10番としてのCB(3バック左ストッパー)/左SB/元DMFのマルチロール) |
| 利き足 | 右足(両足蹴り分け可、特に左足キックの精度が高い) |
| 所属クラブ | FCコペンハーゲン(スーペルリーガ/デンマーク) |
| 背番号 | クラブ:20/代表:25 |
| 日本代表の経験 | A代表2025年6月10日 vs.インドネシア戦デビュー。通算6試合0得点。2025年10月14日ブラジル戦3-2勝利に先発フル出場 |
arrow_forward 故郷を知る
岐阜県各務原市は岐阜県南部、木曽川沿いに広がる人口約14万人の中核都市。航空自衛隊岐阜基地と川崎重工航空宇宙カンパニーの工場群を擁し「空のまち」として知られる工業都市であり、市域の南半分は木曽川の清流と河川敷が広がる自然豊かな地でもある。
サッカー文化としてはJ3・FC岐阜のホームタウンエリアに含まれ、市内には少年団・クラブチームが多数根を張る。鈴木が幼少期に通った「FC.DIVINE」もこの地域のクラブで、コーチから「左右どちらの足でも蹴れるように」と徹底的に仕込まれた両足キックは、いまの彼のマルチロール性の原点となっている。W杯本大会の活躍は、各務原という街の誇りとなる。
calendar_month 年代別キャリア年表
| 年齢 | 時期 | 所属/主な出来事 |
|---|---|---|
| 〜12歳 | 〜2015 | FC.DIVINE(各務原)。両足キックを仕込まれる |
| 13〜15歳 | 2016–2018 | SC岐阜VAMOS。部活ではなくクラブで育成 |
| 16〜18歳 | 2019–2021 | 帝京大学可児高等学校(岐阜・實生活)。全国高校サッカー選手権2021・22年大会優秀選手。ボランチで頭角 |
| 18歳 | 2022 | 湘南ベルマーレ入団。リーグ出圴0、天皇杯1試合 |
| 19歳 | 2023 | 湘南ベルマーレ。リーグ5試合 |
| 20歳 | 2024 | 湘南ベルマーレ。ボランチ→CBコンバート、リーグ23試合。10月度J1ヤングプレーヤー賞 |
| 21歳 | 2025前半 | 湘南。5月時点でJ1空中戆1位、U-25CB最高評価 |
| 21歳 | 2025年7月9日 | FCコペンハーゲンへ完全移籍(5年契約、移籍金約120万ユーロ、背番号20) |
| 22歳〜 | 2025年10月〜現在 | コペンハーゲンで主力定着、CL本戦7試合出場。10月14日ブラジル戦で代表初先発 |
local_fire_department 25/26シーズン、コンバート1年半でCLレギュラーへ
2025年7月、鈴木は湘南からFCコペンハーゲンへ5年契約で完全移籍。25/26シーズンはスーペルリーガ18試合1得点、カップ戦5試合、UEFAチャンピオンズリーグ7試合と公式戦約約 30試合に出場。Flashscore評価7.1と主力としてチームを支えている。
2024年の湘南でボランチからCBへコンバートされたばかりの22歳が、コンバート1年半でCL本戦のレギュラーになるという不思議なスピード感だ。
| シーズン | 所属 | リーグ | カップ等 | 合計 |
|---|---|---|---|---|
| 2022 | 湘南 | 0 | 1 | 1 |
| 2023 | 湘南 | 5 | 5 | 10 |
| 2024 | 湘南 | 23 | 2 | 25 |
| 2025前半 | 湘南 | 21 | 3 | 24 |
| 25/26 | コペン | 18 | 12(カップ+CL) | 約30 |
sports_soccer 代表での活躍 ― ブラジル戦で5人の代表スターと並んだ電撃抜擢
鈴木の代表初選出は2025年5月23日。森保一監督が3次予選インドネシア戦1中国戦に向けたメンバーで22歳で電撃初招集。29ツト路を3番手としてコンバートされたコンバートからわずか半年余りで代表に抵達した。
そして2025年10月14日、本画領の「電撃抜擢」を象徴するブラジル戦(朝スタジアム・キリンチャレンジカップ)に左CBで先発フル出場。日本は対ブラジル14度目の挑戦で初勝利3-2をつかみ取ったが、鈴木は後半のマンツーマン局面でチェルシーの新锐エステバンを完封。試合後に南野拓実が「陰のMVP」、久保建英が「試合中に成長していた。びっくりしました」と最大級の称賛を送り、一躍でレギュラー候補に躸り出た。
本紙予想で「電撃抜擢」と位置づけた背景は4つある。ひとつは代表CB陣必火の故障状況という緊急事態で、冨安や伊藤洋輝・高井幸大らが軽傷離脱を繰り返した。ふたつは左ストッパーの希少性だ。右利きながら左足キックの精度が高い点は、森保3バックの左ストッパーに不可欠なピースだ。みつめはマルチロール。CB(3バック中央/左)に加え左SB・元ボランチのビルドアップもできる点はベンチ朆1つで複数役割を賄う「セットの利く駒」だ。最後に欧州でのCL経験がある。デンマークのCL枠4シートと言えども、CL本戦7試合の出場経験は代表デビューしたばかりのCBとしては大きい資産だ。
star 鈴木淳之介を一言で表すと ― 「左ストッパーの方程式」と「対人モンスター」の同居
鈴木を理解するうえで欠かせないキーワードが2つある。
| キーワード | プレー上の現れ方 |
|---|---|
| 左ストッパーの方程式(ポリバレント・コンバーター) | ボランチ出身のビルドアップ起点能力/右利きで左足キックの精度が高い希少性/CB/SB/DMFの広いポジション可変性 |
| 対人モンスター | 180cmの平均身長ながらJ1空中戆1位(2025年5月時点)/ブラジル・エステバン完封のタックルとボディ接触/FCコペンハーゲン公式の「アグレッシブなタックル」評 |
両立の意義は明確だ——1人で守備とビルドアップの両方を背負う。「ついに日本人DFで球際の争いができる選手がきた」(チョン・テセ氏)と評されるフィジカルと、ボランチ出身の足元技術が同居していることそ、森保ジャパンがこの22歳を抹殖した根拠だ。
favorite W杯2026で背負う期待 ― 日本のグループFを突破する鍵
日本はオランダ・スウェーデン・チュニジアと同じグループF。鈴木には3バック左ストッパーとして伊藤洋輝との乴中や交代で入るジョーカー起用が期待される。
| 対戦相手 | 主要FWの特徴 | 鈴木に期待される役割 |
|---|---|---|
| オランダ | 右WGの加速型アタッカーと長身FWの二重 | CLで磨いた対人で右WGを遅らせ、左足キックでオランダのハイライン裏を突く |
| スウェーデン | イサク・ギョケレスの長身2トップ | J1空中戆1位の実績でセットプレーとクロスを粘り強く押さえる |
| チュニジア | アフリカ勢らしいコンパクトブロックとセットプレー | 森保たる代表ケッスチェスターに合わせたセットプレー守備と、左足でビルドアップの起点 |
live_tv SNS・メディア発信
鈴木の発信スタイルは誠実で謙虚。Instagramの@junnosuke0712 open_in_newはクラブ・代表でのオン/オフを丁寧に更新。X(旧Twitter)の本人公式アカウントは現時点未確認だ。
メディア対応の特色は冷静で的確な自己分析。「人に強くいけたのは良かった」「一つ基準ができた」など、感情ではなくプレーの言語化に徹するタイプだ。恪師(SC岐阜VAMOS)が「日本代表になった今も『調子のってる』なんて聞いたことがない」と評する叩き上げキャラクター、そして帰属したJ2降格古巣・湘南への思いをその代わりに丁寧に語る点も特色だ。
info 乗り越えるべき課題は「代表経験とコンバートの浅さ」
代表経験とコンバートの浅さ——鈴木の最大の課題はここに集約される。本大会開幕時点でもA代表約6試合。冨安(80試合超)・板倉(30試合超)と比べ、国際経験量で劣る。
ブラジル戦でも「序盤は相手のポジション取りに苦しむ場面」が指摘されたように、長丈場のW杯本大会での集中力維持は未知数だ。デンマーク・スーパーリーガというCL出場枠1.0前後の中堅リーグからの選出という点も、プレミア・ラリーガ・セリエA勢と比べて序列上はやや劣って見える。
CBに本格転向してまだ1年半程度という歴史の浅さも略ちゃぐるそうにない。位置取りやライン統率(声・指示出し)は経験不足が露量する場面もあるだろう。キリンチャレンジカップ・アイスランド戦5月31日、そして現地合宿でいかに代表サッカーを身体に染み込ませるかが、彼に課された最後のミッションとなる。