コラム2026-04-19

【日本代表コラム】上田綺世 ― エールディヴィジを席巻する9番、W杯2026で日本を背負えるか

エールディヴィジで得点ランク首位を独走する上田綺世。2025年JPFA年間最優秀選手に輝いた日本代表9番が、W杯2026本大会で背負う期待と課題をコラム形式で読み解く。

#日本代表#注目選手#W杯#グループF

エールディヴィジ得点ランク首位、13ゴールで独走中。2025年JPFA年間最優秀選手。フェイエノールトの背番号9を背負う上田綺世(うえだ あやせ)は、いまや日本代表の押しも押されもせぬエースストライカーだ。W杯2026本大会を約2か月後に控えた今、彼が背負う期待と、乗り越えるべき課題を整理する。

上田綺世(フェイエノールト)
上田綺世(フェイエノールト)


local_fire_department 25/26シーズン、ついに覚醒した「世界基準の9番」

フェイエノールト加入3年目の今季、上田は完全にチームの中心として機能している。エールディヴィジ25/26シーズン、第27節終了時点でリーグ戦13ゴールを挙げ、得点ランキング首位を独走。昨季の大腿部の怪我で終盤戦を棒に振った悔しさを、そのまま数字で返してみせた格好だ。

特筆すべきはゴールパターンの多彩さである。加入当初に指摘されていた「ポストプレーは上手いが決定力に波がある」という課題は、完全に過去のものになりつつある。

項目22/23(ブルージュ)23/24(フェイエノールト)24/2525/26(第27節時点)
リーグ戦得点145913
出場試合28262425
得点/試合0.500.190.380.52

得点/試合の推移が物語るのは、「単発の活躍」から「継続して点を取る選手」への変化だ。これは代表選手として何よりも欲しかった成長である。


sports_soccer 日本代表でのインパクト ― ミャンマー戦ハットトリックからW杯本大会へ

日本代表としては、2023年のW杯アジア2次予選ミャンマー戦で初の代表ハットトリックを達成。これが現在の「代表エース定着」への決定的なターニングポイントとなった。

W杯アジア最終予選を通じても、上田はarticle 森保一監督の信頼を一手に集め、前線のファーストチョイスとして使われ続けた。195cmのオナナ(カメルーン)や194cmのミトログル(ギリシャ)らとぶつかっても怯まないフィジカルの強さ、そしてDFラインの背後を取る抜け出しの速さは、W杯本大会のグループステージでこそ真価を発揮するだろう。


star 上田綺世を一言で表すと ― 「泥臭さ」と「賢さ」の同居

上田のプレースタイルを分析するうえで、欠かせないキーワードが2つある。

キーワードプレー上の現れ方
泥臭さDFラインと競り合うファールギリギリのポジショニング/相手CBの肩口に重心を乗せるポストプレー/セカンドボール回収
賢さ味方SBのクロス予備動作を見てからのニアゾーン侵入/相手GKの重心を観察しながらの流し込み/オフサイドラインぎりぎりの駆け引き

この2つが同居している点が、欧州トップレベルでも埋没しない最大の理由だ。単なるフィジカルモンスターではなく、単なるテクニシャンでもない。「考えて点を取るストライカー」こそ、現代サッカーが最も求めている選手像である。


favorite W杯2026で背負う期待 ― 日本のグループFを突破する鍵

日本が入ったW杯2026グループFの対戦相手は、スウェーデン、オランダ、チュニジア。ポット2以上の強豪を相手に、日本がグループ突破を果たすためには、ワンチャンスを物にできる本格派CFの存在が不可欠だ。

対戦相手守備陣の特徴上田に期待される役割
オランダファン・ダイクを中心にしたハイライン+GKの前進守備背後への抜け出しと、GKとの1対1での冷静さ
スウェーデン長身CB2枚による空中戦の強さ競り合いで時間を作り、2列目のシュートチャンスを演出
チュニジア引いて守るブロック+カウンター狭いスペースでのワンタッチ連携とセットプレーでの得点

3試合すべてで「違うタスク」を求められるのが、現代のストライカーの宿命だ。しかし今の上田ならば、すべてに一定水準で応えられるだけの引き出しを持っている。


info 乗り越えるべき課題は「燃え尽きリスク」

一方で、楽観ばかりもしていられない。クラブでのシーズンは5月下旬まで続き、そこからわずか数週間で本大会を迎える超過密日程。昨季終盤に大腿部を痛めた経験もある上田にとって、コンディション管理こそが最大のテーマとなる。

JFAと森保監督が、壮行試合でのプレータイムをどうコントロールするか。クラブとの交渉を含めて、サポーターとしても注視したいポイントだ。


arrow_forward 関連記事


出典:

※写真: Wikimedia Commons / CC BY-SA 2.0

出典・情報元

最終更新: 2026-04-19