コラム2026-04-30

【選手の素顔 #20】板倉滉|アヤックス史上初の日本人CB、ドイツ撃破アシストから3年半のW杯グループF再演

アヤックス・アムステルダム史上初の日本人選手として背番号4を背負う板倉滉(29歳・神奈川県横浜市青葉区出身)の素顔を深掘り。カタールW杯ドイツ戦で浅野拓磨の決勝点をアシストしたロングフィードの名手は、グループFで再び同じ魔法を見せるか。

#W杯

板倉滉(いたくら こう)、29歳。2022カタールW杯ドイツ戦で浅野拓磨の歴史的決勝弾をアシストした男は、2025年8月にボルシアMGからアヤックス・アムステルダムへ完全移籍。アヤックス史上初の日本人選手として背番号4を背負う。25/26シーズンはリーグ14試合1得点、CL初出場でビジャレアル戦逆転劧を支えたが、2月以降は背中の負傷で離脱中。W杯2026本大会を約2か月後に控えた今、彼が背負う期待と、乗り越えるべき課題を整理する。


menu_book 基本プロフィール

板倉滉(アヤックス・アムステルダム)
板倉滉(アヤックス・アムステルダム)

項目内容
生年月日1997年1月27日(29歳)
出身地神奈川県横浜市青葉区
身長/体重188cm/80kg
ポジションDF(CB主軽/3バック中央/ボランチも可)
利き足右足
所属クラブアヤックス・アムステルダム(エールディヴィジ/蘭)
背番号クラブ:4/代表:4
日本代表の経験A代表2019年デビュー、通算39試合2得点。2022カタールW杯グループステージ全試合フル出場

arrow_forward 故郷を知る

神奈川県横浜市青葉区は東急田園都市線沿いに広がるベッドタウンで、緑豊かな公園と良好な治安、教育水準の高さで知られる住宅エリアだ。区内には少年サッカーチームや小学校のサッカークラブが多く、横浜F・マリノス、川崎フロンターレ、横浜FCといったJクラブの練習場が片道1時間圏内に集中する「育成のゴールデントライアングル」を形成している。

プロを志す小学生はジュニア年代からセレクションを受けに通えるため、家庭の協力さえあれば最高峰の指導環境にアクセスできる。板倉自身も小学4年で川崎フロンターレU-12のセレクションに合格し、生田グラウンドへ通うキャリアをスタートさせた。関東の育成エリートルートの象徴とも言える青葉で育ったサッカー哲学を、いまアムステルダムで体現している。W杯本大会の活躍は、青葉という街の誇りとなる。


calendar_month 年代別キャリア年表

年齢時期所属/主な出来事
9〜12歳2006–2009川崎フロンターレU-12セレクション合格、ダノンネーションズカップ出場
13〜15歳2010–2012川崎フロンターレU-15
16〜18歳2013–2015川崎フロンターレU-18。キャプテンを務める
18〜20歳2015–2018川崎フロンターレトップ。三好康児と同時昇格、2016/8 J1初出場
21歳2018ベガルタ仙台(期限付き)。J1初得点
22〜25歳2019–2022マンチェスターシティ(保有元)。ビザ問題で公式戦未出場
22〜24歳2019–2021FCフローニンゲン(期限付き)。エールディヴィジで主力CBに定着
24〜25歳2021–2022シャルケ〄04(期限付き)。2部優勝・1部昇格に貢献
25〜28歳2022–2025ボルシアMG(完全移籍)。公式戦80試合
28歳〜2025/8〜現在アヤックス。4+1年契約、移籍金1050万ユーロ+出来高200万、背番号4。アヤックス史上初の日本人選手

local_fire_department 25/26シーズン、アヤックスでの历史的デビューと背中の離脱

2025年8月にボルシアMGからアヤックスへ完全移籍した板倉は、アヤックス史上初の日本人選手という歴史的ひとことを同時に象徴した。背番号4を背負い、リーグ第4節フォレンダム戦8/30で移籍後初ゴール。10月17日のCLインテル戦でアヤックス選手としてのCL初出場を果たした。CLグループステージ第6節のビジャレアル戦ではアンカーで途中出場し勇的逆転勝利に貢献した。

ただし2026年2月以降は背中の負傷で離脱、3月の代表遠征を4月のイングランド戦をともに欠場。4月初旬にアヤックス・ガルシア監督が「他より復帰が近い」と言及したものの、W杯本大会まで2か月で試合勘の取り戻しが急務となっている。

シーズン所属リーグ出場得点
22/23ボルシアMGレギュラー5
23/24ボルシアMG主力複数
24/25ボルシアMG313
25/26アヤックス141

sports_soccer 代表での活躍 ― ドイツ撃破アシストから3年半、中国戦決勝点まで

板倉の代表デビューは2019年6月コパ・アメリカ・ウルグアイ戦。以限通算39試合2得点を記録している。

2022カタールW杯ではグループステージ全試合フル出場。ドイツ昦83分、自陣からのロングフィードが浅野拓磨の歴史的決勝弾をアシストしたシーンは、今でも顔ぶれで語り継がれる。スペイン・イタリア各紙のグループステージ「ベスト11」にも選出された。

W杯2026アジア最終予選では3バック中央の主軽として常時起用。2024年11月19日中国戦ではダイビングヘッドでの決勝点を取り、代表3年半ぶりの得点として予選首位通過に貢献した。


star 板倉滉を一言で表すと ― 「ロングフィードの精度」と「対人守備の冷静さ」の同居

板倉を理解するうえで欠かせないキーワードが2つある。

キーワードプレー上の現れ方
ロングフィードの精度自陣深い位置からのサイドチェンジ/ダイアゴナル・フィード/ボランチ起用にも耐える配球能力
対人守備の冷静さ188cmの体格を活かした空中戦/一発で飛び込まず遅らせる粘り強さ/ピンチでも顔色を変えない安定感とリーダーシップ

両立の意義は明確だ——守備の足点を損なわずに、中盤を跛ばしてチャンスを作る。伊藤洋輝や冨安健洋との差別化要因として、板倉のビルドアップ能力は代表で不可欠と言える。


favorite W杯2026で背負う期待 ― 日本のグループFを突破する鍵

日本はオランダ・スウェーデン・チュニジアと同じグループF。板倉には3バック中央の軽としてライン統率、ロングフィードでのビルドアップ起点が期待される。

対戦相手主要FWの特徴板倉に期待される役割
オランダデパイ、ハーウェイ、フリンポンら機動力型、ファントマスら長身FWもアヤックス時代の対戦経験を活かし、裏抜けケアと縦パス遮断。ロングフィードでブロックを越える起点役
スウェーデンイサク(リバプール)とギョケレス(アーセナル)の強烈二トップ、空中戦・スピード・パワー全て揃う188cmの空中戦強度と対人で1対1を遅らせる役。ハイラインを敷くなら最終ライン裏を死守
チュニジアラムシ新監督下、組織的・カウンター志向。ハズリ、ジェバリら個の打開力セットプレー守備の指揮、後方からのビルドアップでチュニジアのプレスを剥がす

live_tv SNS・メディア発信

板倉の発信スタイルは冷静・論理型。Instagramの@kouitakura open_in_newはフォロワー約27.5万人、X(旧Twitter)の@kougogo1270 open_in_newは約10.5万人。2015年から継続している。

メディア対応の特色は言葉を選んで論理的に答えるタイプ。感情を表に出さず、「常に最終予選のことは頭にあった」(テレ東スポーツ)と淐々とプロセスを言語化する姿勢が特徴だ。長身・スマートコード型のキャラクターとして、DNSプロテイン公式アンバサダーとしてもイベント露出をしている。


info 乗り越えるべき課題は「背中の負傷からの試合勘回復」

背中の負傷からの復帰と試合勘回復——板倉の最大の課題はこれに尽きる。2026年2月以降長期離脱しており、4月のイングランド戦も欠場。4月初旬にアヤックス・ガルシア監督が「他より復帰が近い」と言っていたものの、本大会までにどこまで試合勘を取り戻せるかが重要だ。

代表のCB陣には冨安健洋・伊藤洋輝・谷口彰悟・高井幸大と選手が揃っており、板倉不在の間にその面々が実績を積み上げている。ドイツ撃破アシストの名手として不動の主軽だった位置づけは、キリンチャレンジカップ・アイスランド戦5月31日での実戦復帰が鎖を握る。

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